ガンステッド先生は 若い頃『重度のリウマチ性関節炎』を患い仕事を辞めざるおえなくなりました。当時あった様々な伝統的医療を試してみますが、残念ながらその症状は全く変わりませんでした。
そんな時、ガンステッド先生の人生を変える1人カイロプラクターと出会う事になります。J・B・オルセンという先生に出会いその治療により『リウマチ性関節炎』からの劇的な回復をみせたのです。たちまちガンステッド先生はカイロプラクティックに魅了されてしまい、即カイロプラクティック大学に入学しました。
卒業後、ウィスコンシン州マウント・ホレブという小さな街で開院しますが当初は患者さんも少なく賃貸料が払えるかどうか…というほど大変だったそうです。しかし、カイロプラクティックに対する情熱、患者さんに対する想い…どんな病気であろうともすべての患者さんをみることを誓っていたガンステッド先生の治療は次第に広がりをみせることになります。
ガンスッド先生の患者さんに対して献身的な姿勢がわかるこんなエピソードがあります。1918年の初め頃、全米に深刻なスペイン風邪が流行し多くの人が命を落としました。ガンステッド先生は夜9時~10時に診療所を閉めたのち車に乗りスペイン風邪により高熱で動けない患者さんの自宅に行き、ジャストメントを行い容態を見守りながら必要な時は再度アジャストメント行いました。重症の患者さんには一晩付き添いながらアジャストメントを行っていたそうです。
またガンステッド先生はとても真面目だった事がわかるちょっとユニークなエピソードもあります。ある休日ガンステッド先生は知り合いの先生から釣りに誘われました。しかし、仕事一辺倒だったガンステッド先生は釣りに行った経験などはなく、どんな格好で行ったらいいのか分からずに…結局、当日はスーツを着て行ったそうです。
そんな真面目でカイロプラクティックに対して誰よりも情熱を持っていたガンステッド先生には次第にカイロプラクティックを教えて欲しい…とカイロプラクティックを勉強している人達が集まってくるようになりました。
ガンステッド先生が教えていた事のほんの一部ですが、とても好きな言葉なのでここで紹介したいと思います。
- まずサブラクセーションをみつけなさい。
- 次にみつけたものを受け入れなさい。
- それをアジャストメントして治しなさい。
- 治したものをそっとしておきなさい。(壊さないようにしなさい)
この4つだけ…?と意外にシンプルな感じがするかもしれませんが、このサブラクセーションを探すための検査やサブラクセーションが見つかった際に行うアジャストメントという手技を徹底的に追求したのがガンステッド先生でした。
またガンステッド先生は決して患者さんの病気を治療するというスタンスをとりませんでした。それはカイロプラクティックで人々に奉仕したい…そのためにアジャストメントを与えるという考えを貫いていました。
初めて聞いた方は驚くかもしれませんが、実はカイロプラクティックの哲学では病気を治すことを目的としていません。
病気を治すのはあくまでも皆様のもっている自然治癒力でカイロプラクティック療法はその自然治癒力が正しく流れるように調整を行うだけです。後は皆様の体が答えを出してくれます。実はこの考え方はカイロプラクティックではとても大切なものになっています。